奨学生の声

土石流予測に適用できる解析プログラムを完成させ、
将来は地域社会の安全や環境保全に取り組みたいです。

九州工業大学 工学部 4年生 Sさん

現在の取り組み(研究・勉強面)について教えてください。

現在、私は土石流の流動に関する数値解析をテーマに、卒業研究に取り組んでいます。近年、土砂災害の発生件数は増加傾向にあり、令和6年9月に能登地方で発生した大規模土砂災害など、その被害軽減が喫緊の課題となっています。しかし、土石流の発生から停止までの土砂動態プロセスを正確に予測する手法は未だ確立されていません。

このような背景のもと、土砂動態プロセスの予測を目標に土石流の数値解析プログラムを作成し、流動過程や浸食・堆積現象を再現することを目指しています。さらに、既往の実験結果と比較することで、解析プログラムの再現性と精度の向上を検討しています。

奨学金の交付によって良かったことを教えてください。

奨学金をいただいたことで、時間の使い方に余裕が生まれ、学業や研究に専念できる環境が整ったことです。以前は学費や教科書代を賄うため、講義が終わった後も夜遅くまでアルバイトをする日々を送っていました。

しかし、貴財団の奨学金のおかげで経済的な負担が大幅に軽減され、学問を追求するための時間を確保できるようになりました。その結果、授業の復習や研究に深く取り組むだけでなく、新たな知識を吸収する余裕も生まれ、毎日が非常に充実しています。このような素晴らしい機会を与えていただいたことに、心より感謝申し上げます。

将来の目標について教えてください。

私の現在の目標は、解析範囲を実フィールドの規模まで拡張し、実際の土石流予測に適用できる解析プログラムを完成させることです。このプログラムを通じて、土石流の発生から流動、停止までの土砂動態プロセスを正確に再現し、新しいリスク評価手法の確立や、災害に強い地域づくりに貢献するハザードマップの作成に役立てたいと考えています。

将来的には、砂防や河川計画に携わる仕事で、これまで培った知識と技術を活かし、地域社会の安全や環境保全に取り組みたいと考えています。そのために、さらなる研究と技術力の向上に努めてまいります。

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